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ずっと寂しかったんだ

8/7 CIX 1st concert REBEL IN JAPAN -Pinky Swear-に行った

 

前日までの話はこちら

 

amefuriskipsan.hatenablog.com

 

 

以下当日の話です

 

 

8月7日、AM8:30起床。

今回は前乗りしていたので、特別早起きしなくて良かった。ホテルのチェックアウトに間に合うように準備をする。1時間半もあればどうにかなるだろう。

 

洗顔保湿、メイクに着替えと決まった流れを粛々と進めていく。と、ここで壁にぶつかる。髪型がなかなか決まらないのである。正直普通に巻いて下ろしても良かったのだが、外の気温は30℃。自分がかなり汗をかく方なのも分かっているので、髪をまとめるか迷っていた。結局チェックアウトの時間になったので巻いて下ろした。巻きが弱くなってしまったので最初から下ろしておけば良かったと後悔したが、この無駄さや慌ただしさも現場の朝らしくてまあいいかと思った。

 

中野に行く前にキャリーケースを2日目の宿に持っていくというミッションを控えていたので、キャリーに入れるものとコンサートで必要なものを何度も確認した。

2日目の宿まではそこまで時間はかからなかった。なんとなく部屋が綺麗そうという理由で予約したのだが、建物の佇まいからしてかなり良いホテルで面食らった。エントランスから受付まで少し距離があるのも高級感があって少し怖いな〜と思っていたら自分の足元左斜め後ろの方からバラバラバラバラ!!!!とヘリコプターのような音が響いた。左斜め後ろにはヘリコプター、ではなくテカテカのキャリーバッグ。そうだった、先日持ち手が外れた時に確認したらタイヤが割れていたんだった。タイヤってこんなに真っ二つに割れるんだなと思ったんだった。10年近く苦楽を共にしてきたケースだが、別れは近い。取手が外れている旨を受付の方に伝えると、横に向けて小脇に抱えて持って行ってくれた。浮かれた色も相まってサーフボードみたいに見えた。

 

朝昼を兼ねて何かお腹に入れておこうと喫茶店に入った。フレンチトーストを待っている間スマホを取り出し、Twitterを開く。物販情報を見ていると、ペンライトが売り切れていた。私は既に持っているので購入予定はなかったが、次のライブでも使えるんだから多めに持って来なよね...と思った。在庫状況に不安を感じたので、早めに行くことにした。

 

 

中野サンプラザに到着。中野には初めて来たのだが、本当に駅から近い。駅出て信号渡ったらもうそこが会場。会場前の広場らしきところにはCIXのファンがたくさんいて、今日、ここが現場になるんだなと妙に感慨深くなった。ファンが一堂に会している景色が久しぶりでそわそわした。

 

今回1部で連番する方(Aさん)は既に入場していたので、物販にうちわを買いに行く。

BXくんのうちわが売り切れ、並んでいる最中にスンフンくんのうちわも売り切れていたのでかなりヒヤヒヤしながらじりじりと進んでいく。ペジニョンさんのうちわは無事購入できた。フォトカードと缶バッジも購入。フォトカードはヨンヒちゃん、スンフンくん、集合の3枚だったが、3枚ともとても綺麗だったので交換に出さずそのまま持っている。

 

相互さんに会ったりしていると、開演までかなりギリギリの時間になった。端の席だったので助かった。会場の中に入るとツアータイトルのロゴが舞台のスクリーンに映し出されていて、思わず息を飲む。ここで今からCIXさんの舞台が観れるんだと思うと足が震えてしまう。転ばないように慎重に階段を降りていく。

自分の席に着く。Aさんとは5月にもお会いしていたのだが、コンサートでお会いするのはおそらくデビューショーケース以来だったように思う。あれからもう3年たったのだ。

 

13:30。CIXの曲が流れていた会場が暗くなり、会場がどよめく。この感じ久々だなあ、まだ実感がない。

私の席から、うっすらと舞台に立つ5人が見えた。これは現実なのだろうかと息を呑んで暗闇を見つめていると、照明に照らされた5人が現れた。実はこの時点でも少しだけ「ものすごく仕上がりのいい映像が映し出されている可能性もあるかも」と思っていた。一瞬そんなことが頭をよぎる程私は彼らの映像をたくさん観ていたし、彼らを直接観る機会から遠ざかっていたのだ。

 

 

1部が無事終わり、お見送り会の流れでそのまま会場の外に出た。

Aさんと「いや〜〜めっちゃ良かったですね....」と言い合っていると、2部に入るBさんから連絡が。Aさんとは2部終わりにごはんに行くことになっていたので、一旦解散。

 

 

Bさんと駅前で待ち合わせる。Bさんが服の特徴を送ってくれたのだが、私がその日着ていたものと全く同じ特徴でニヤニヤしてしまった(実際は全然違う服だった)

Bさんとは初めてお会いするのでかなり緊張していたのだが、ぎこちない会話しかできない私にもBさんは優しかった。ありがとうございました。時間までお茶しながら話をして、また中野に戻る。それぞれ会う予定の人に会って、会場に入る。Bさんは特に推しは決まっていないようだったが、手持ち無沙汰なのでとペジニョンさんのうちわを購入。図らずも1部2部ともペジニョンさん2連うちわの構図になり面白かった。

 

あっという間に2部の開演時間が近づいてくる。今からまた夢みたいな時間を過ごせるんだという喜びと、こんなに短い時間で本人たちは回復できているのだろうかという不安でそわそわする。

 

 

2部が始まる。

数時間前に同じ公演を観たというのに、毎秒毎秒が新しく鮮やかだった。これがコンサートとCIXの力か...!と打ち震えた。

打ち震えた割に1部と2部で起きたことがごっちゃになってしまっているのはただただ私の問題、悔しい。

 

瞬く間に2時間が過ぎ、CIXさんの日本初単独コンサートは幕を閉じた。

 

お見送り会で自分たちの番が来るまで着席して待つ。話を聞いている限りではBさんも楽しめていたようで良かった。「ペジニョンさんをずっと好きでいられるのが分かる気がする」と言ってもらえて嬉しかった。

 

Bさんを駅まで見送り、ホテルの近くまで戻ってAさんとご飯を食べた。こういう時いつもどんな話をしていたのか忘れてしまうのだが、楽しかったことは覚えている。もっと話していたかったが、閉店が早かったこともあり22時前には店を出た。またこうやって会える日が近いうちに来れば良いなと思った。

 

 

最寄り駅からホテルまで1人で歩いている途中でTwitterの通知に気付く。

 

ふわ、と突然空気が澄んだような気がして走り出したくなった。この歳になってこんな気持ちになるとは思わなかった。はやる脚を抑えてふわふわとした気持ちで歩き、ふわふわとした気持ちでコンビニに行き、ふわふわとした気持ちで自分の部屋に着いた。

一度のんびりするとそこから動けなくなりそうだったので、買ったものを冷蔵庫に入れてメイクを落としてお風呂に入って髪を乾かして後は歯を磨いて寝るだけで良い状態にした。

2泊目に予約したホテルはベッドが広かった。両手を広げて寝転んでもまだ余裕がある。何か悲しいことがあってものたうち回れるようにと保険のように予約したこの部屋が、こんなにも多幸感に満ちた場所になるとは思いも寄らなかった。

 

CIXさんも私も、今日確かに中野にいた。

 

その事実を反芻しては、ベッドを端から端までごろごろした。中野を後にして数時間経ったというのに、5人の姿だったりペンライトの海だったりを鮮明に再生できる。

ふと、今日のことを私は覚えていられるだろうかと怖くなった。こんなにまばゆい記憶をなくしてしまう時が来るのだろうか。私は良いことだけ覚えているのが下手なので、これから何か嫌なことがあったら記憶をまとめて手放してしまいそうだ。思えば、あの時間をずっと覚えていたいという私の願いを叶えるために私はこの文章を書いているのかもしれない。

そのまま私は、幸福を染み込ませるように大の字になって眠った。

 

 

8月8日、9:00起床。

チェックアウトが1泊目より遅かったのでのんびり起きた。この日特に予定は立てなかった。新幹線は例のごとく予約していなかったので正直どうにでもなったのだが、昨日のコンサートの記憶をなるべくそのまま家に持って帰りたくなって真っ直ぐ帰ることにした。

 

ホテルを出て大通りに出ると、やたら綺麗に晴れていた。8月の色味をした空が一面に広がっていて、この数日が私にとっての夏だったのだと思った。

 

春夏秋冬どれにも等しく寄り添うこの曲が、2021年の私の季節を作ってくれました。

昨年末、Cinemaについての文章で私はこんなことを言っていた。

あれからしばらくの時間を経て、CIXさんは再び私の季節を作ってくれたのだ。

 

お昼ご飯を食べて、新幹線に乗る。景色がみるみるのどかになっては視界から消えていくのを見て、自分がいつもの生活に戻っていくのを実感した。物理的にも精神的にもコンサートから遠ざかっていくようで寂しくなった。

ずっと2022年8月7日のあの時間が続けば良いと本気で思っていたし今も思っているが、私は今でもあの時間を覚えていて今でも時折あの時間を記憶から取り出して愛でているので、多分大丈夫なのだと思う。

 

 

2部が終わってお見送り会の準備を待っていた時、Bさんから「なんでずっとペジニョンさんを好きなんですか?」と聞かれて、私は上手く答えられなかった。こういうところがあって〜だったりエピソードを伝えたりしたのだが、伝えながら違うそうじゃないんだ〜〜と思っていた(し、実際にそれもBさんに伝えた)

 

なんでペジニョンさんを、 CIXさんをここまで好きなんだろうか。コンサートが終わってからなんとなくずっと考えていた。最後にそれについて書いて終わろうと思う。

 

ペジニョンさんが表舞台に立つ人になってから5年ほど経つ。それでも今もなお日々より良くあろう、よりかわいくかっこよくあろうとしているのがずっと好きで、そしてそうあろうとする姿が眩しくて私はずっと目が離せないでいる。

私にとっての幸運は、そうやってより良くあろうとするのがペジニョンさんひとりだけではなかったということだ。BXさん、スンフンくん、ヨンヒちゃん、ヒョンソクちゃんの4人それぞれの魅力や努力が、ペジニョンさんをひとりにさせないでいてくれた。それぞれが自由に動いている時もグループとして舞台に立っている時も、CIXだなあと思うし好きだなあと思う。

5人に舞台があって、CIXという場があって本当に良かった。私がCIXさんを好きなのよりもずっと、5人が1番CIXを好きでいてくれたら嬉しい。

5人揃って穏やかに前を見据え続けられることは、ペジニョンさんにとっても幸運だったのではないだろうか。

 

ここまで真剣に書いたのだが、上の言葉だけでは網羅できないくらいには好きなので結局「なぜ好きなのか」という問いには答えられないままな気がする。

 

 

いつまで経っても私は、5人がどんな人なのかは分からないのだろう。「だから」なのか「それでも」なのか、つなぐ言葉すら分からないけれど、分からないまま私は彼らを見つめ続ける予感がしている。

 

CIXさん、こんなにも素敵な時間をありがとうございました。次の場所は日本か韓国か他の国か分からないけれど、また観に行きます。